真夜中、野良犬に睨まれる。
きっと右手のサラダとコーラーとパンのせいだ。
依然とした熱帯夜は、
さっきまで降っていた雨がどこかに持って行き、
今夜は久しぶりにゆっくり寝れそうです。
部屋に入って、電気をつける前にフラッシュバック。
野良犬たちの死骸ってのはどこにあるんだろう。
きっと誰かが誰にも見つからないようにそっとしまうのであろう。
それは思いやりなのか、何てことのない仕事の一部なのかは分からないが、
きっとそういうことなのだろう。
道路で見かける野良の子犬の長い一生の最期なんて、
誰もが想像なんてせずに、ただ可愛いといって餌を与える。
誰もが想像なんてせずに、頭を撫でる。
誰もが想像なんてせずに、家で飼いたいと言う。
ハッピーエンドだけが、エンディングだったら、きっと今ごろ地球は壊れている。
そして誰もが自分だけはハッピーエンドであって欲しいと思っている。
そんな夏の夜。
僕らが恋人の為につけるクーラーは、
見えないうちに、南極大陸の氷を溶かして、何万もの動物さんの死骸の山を作る。
ささやかな幸せとやらは、本当にささやかな幸せなんだろうか。
ラブアンドピースと叫ぶライブ会場で
出されたゴミがどこに行くかなんて考えた事はあるんだろうか。
異常気象はちっとも異常なんかじゃない。